小学校の教育者向けに書かれた本でしたが、企業内の教育についても言えることが多くなかなかに面白かったです。
やっぱり、人間は幼少期の成長過程に築かれた行動パターンから逃れることは難しいみたいです。
この本の8章に、
人の心を動かし、やる気にさせるには、ほめることが必要
また、褒めるところがあまり見当たらない場合には、
とあります。ほめるために、その種をまくことから始めて見てはいかがですか。
- 人間は、ほめられるとやる気が出る
- やる気が出ると、自発的に学習をするようになる
- 学習をするようになると、理解が促される
- 理解が進むと、また褒められる
という好循環プロセスに乗せることができたのであれば、人間は成長するのであろうというのが、本書の意見。
ほめるとっかかりがないのであれば、上司がとっかかりを作ってあげます。
すると自然と好循環プロセスに乗り、少しずつでも成長をしていくことができるでしょう。
また、この方法であれば、教える方も、ストレスなく教えをすすめることができます。
自然と教わる側が成長をしていったことに対して、純粋にほめてあげるだけですむのですから。
これは、モノを教える方、教わる方、双方にとってメリットが有るものだと思います。
そして、11章には、怒ることの無意味さが述べられてあります。
教室のガラスを割ってしまったとき
~中略~
割れてしまったガラスは、もう再びくっつけることはできませんから、どうしようもありません。
子どもは、このお説教が早く終わらないかなと考えているだけです。
- 基本的に、怒られるようなことをした際には、本人がそのことを一番よく理解している
- つまり、すでに反省を始めている可能性が高い
- 起こってしまったミスを責め立てても、何も解決はしない
- 再び同じミスが起こらないように、反省を促しながら諭すようにしかるのが、重要
詳しくは触れませんが、本書では「怒る」ことと「しかる」ことを使い分けています。
成長を促すしかり方の基本は、「諭すようにしかる」つまり、説諭であるというのが、本書の結論。
職場に置き換えてみても、ミスをした部下をただ怒鳴りつけても、ミス自体がどうにかなる問題ではありません。
会社にとって一番よい結末はなにかというと、問題が解決され、二度とそのミスが起きない仕組みづくりがなされることではないでしょうか?
また、そのことによって、部下も成長するのではないでしょうか?
であるならば、そのミスをした部下に対して、怒りをぶつけるのではなく、
本書の言うところの説諭をすることの方がよっぽど生産的であるように感じました。
いや~、ドラえもんは偉大ですね(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。